「消えた年金」問題をきっかけに、社会保険労務士という資格が広く知られるようになりました。それでも「社会保険労務士って何をするヒト?」というのが多くの方々の印象ではないでしょうか? この質問を受けたとき、私は次のように答えます。
「社会保険労務士は、会社で働く人の採用から退職後までのサポートをする仕事です」と
- 人を雇用して働いてもらうには色々な約束事(法律や制度)が関係してきます。
- 会社として労働保険(労災・雇用)および社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しなければなりません。
- 雇った人に対しては、給料の額や支払日、休日・休暇の定め、病気の時の定めなどを明らかにしなければなりません。
- この約束事には会社を対象にしたことと、社員を対象にしたことがあります。
- 職場でのルールなどをまとめた就業規則や個別の労働契約などがその約束事の中身ですが、それらも労働基準法などの法律に従っていなければなりません。
- 採用内定を出したときから雇用契約は始まっています。
- 入社したらすぐに労働保険と社会保険の手続きが必要です。
- 毎年1回、会社全体で労働保険の年度更新と社会保険の算定基礎届が必要です。
- 何よりも法定労働時間(1日8時間、週40時間)が守られていますか?
- 残業(時間外労働)をしてもらうには労使協定が必要ですがどうでしょうか?
- 仕事中にケガをした人がいます。どうしますか?
- 無断で会社に出てこなくなった人がいます。どうしますか?
- やめる人から退職金を請求されました。払えますか?
- 定年後も年金をもらいながら嘱託で働きたい、という希望を出されました。どうしますか?
このように、会社をつくって人を雇い、事業を行っていくには色々な手続きや届出、制度設計・運用が必要です。
社会保険労務士は専門的な立場からこれらの点をアドバイスし、あるいは手続きの代行を行います。
労働関係の法律もたえず改正や新設があります。
特に会社の基本ルールである就業規則や、付随する各種規程など、これらの法令改正とは無関係でいられません。知らないうちに違法状態とならないよう、絶えず目配りしていかなければなりません。
忙しい社長や事業主に代わってお手伝いさせていただくのが社会保険労務士の仕事です。単なる手続き代行屋ではありません。頼りになる労務ドクターとして社長の片腕になります。